10月1日の聖日礼拝は、勝本正實先生が、ルカの福音書 15章1節~10節から「常識を覆す、罪人をも愛する神」と題して説教をなさいました。イスラエルの民でありながら支配者ローマ帝国のためのに働いている取税人や罪びとたちが話を聞こうとしてイエスの近くにやって来たときに、次のようなたとえ話をイエスが話されました。羊飼いが1匹の羊が迷子になってしまったら、残り99匹を置いてでも、すぐに探しに行く、女性が家の中で銀貨を1枚なくしたら9枚の銀貨をさておき、家探し(やさがし)する。そして、ヒツジや銀貨が見つかったら、友人や近所の人たちを呼び集め「一緒に喜んでください」と喜びを分かち合う、というのです。
手元に大半のものが残っていれば十分なので、残ったものはなくても済む、あとでなんとかすればいい、といった損得の計算ではなく、どうしても見つけたいという強い願いがもつ意味を教わりました。もしも役に立つ人間だから、社会に貢献できる人物だから大切にされるが、役に立たない、社会に貢献できないものは、相手にしない社会はどうでしょう。自分は役に立つ、社会に寄与しているので、有用な人間だというのも、思い上がりかもしれません。神様の無条件の愛が注がれているのが私たちだとすれば、体が弱くなったり、物覚えが悪くなったりしても、やはり一人の人間だということに変わりはありません。ルカの福音書15章では、これらの「見失った羊」「なくした銀貨」のあとに「帰ってきた放蕩息子」の話がつづきますが、「誰一人取り残さない」(leave no one behind)、神の憐れみの深さに思いを馳せることができました。
説教の後は、勝本先生を囲んでの軽食会で、手作りのロールケーキ、イチジクジャム入りを、新たに出席されたフィリピンの方とともにいただきました。先週の日曜礼拝にも女性お1人が初めていらっしゃったのですが、礼拝にあらたな方がいらっしゃると一緒に喜びたくなります。
鳥飼行博